パソコン改造記

Let’s Note CF-A1EV ハードディスク換装記

2003.07.27


1.換装を思い立ったわけ
2.換装前のテスト
3.パーツ購入
4.準備と手順
5.分解と組み立て
6.インストール
7.ベンチマーク
8.おまけ

1.換装を思い立ったわけ

2台目のLet’s Noteを購入して、3年。いつのころかハードディスクの回転音が気になりだした。日常はなんていうことはないのだけど、会議中などはちょっと気なる大き さ。どうやらそろそろ限界かもしれない。ということで、換装を決意。ついでに、日経iパソコン 2003.7月号を参考に、WindowsXPへのグレー ドアップも計画することに。

対象機種

  • Panasonic Let’s Note CF-A1EV
  • 2000年2月モデル
  • Celeron(400MHz)、HDD:6GB、モデム、USB1.iEEE1394、Win98SE
  • メモリ64MB+64MB増設(MAX)

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2.換装前のテスト

はたしてWindowsXPが動くのか。こればかりはやってみないとわからない。
幸い、この機種はかろうじて、XPへのアップデートができそう。Panasonicのページにも、OSアップデート情報があった。

その注意書きに従い、BIOS関連のアップデートを実施。電源コントロールがACPIになるらしい。XP用のアップデートは、モバイル用のものが中心のようなので、とりあえず必要なさそう。

Windows98を壊すわけにはいかなかったので、HDDをパーティション分割することに。これも幸いにも、パーティションマジックがあったので、これでHDDになんとか2GBの領域を確保。FAT32でフォーマットする。

CD-ROMドライブがないので、ネットワーク経由でデスクトップマシンのCD-ROMから、WindowsXP Proをインストール。時間はかかるものの、問題なく完了。XPは、最初にすべてのインストールファイルをコピーするので、自動再起動後はネットワークがなくてもインストールはできた。

さすがに快適とはいえないまでも、結構なレスポンスで動く。これならOKと、本格的に換装とグレードアップを決意する。

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3.パーツ購入

必要なパーツは、HDDだけど、いきなり入れ替えては、インストールの手段がない。それで、USBでハードディスクを外部接続できるアダプタをあ わせて購入。HDDは、少しでも速度を上げるため、通常の4200rpmではなく、5200rpmタイプを選択。このタイプは、20GBの在庫がなく、し かたなく40GBになり、ちょっと予算オーバー。しかたなく、USBアダプタがグレードダウンして、USB1.1仕様に。補助電源がUSBで供給するタイ プが多く、USBが1ポートしかないため、ps/2から電源供給するタイプになりました。

  • HITACHI(IBM)
  • IC255N040ATCS05-0
  • 5400rpm 40GB
  • 流体軸受け
  • 16383CYL 16head 63sec
  • 15000円
  • 恵安
  • USB接続ハードディスクケース
  • USB1.0/1.1
  • PS/2 補助電源
  • 2180円

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4.準備と手順

実際には、2回やりなおしました。そこで学んだ正しい(であろう)手順です。

  1. ともかく分解して、新旧HDDを入れ替える。(分解手順はあとで)
  2. CF-A1をファーストエイドFDで起動させる(ファーストエイドFDは、購入時に作成したはず)
  3. a:\>tools\PEDPART.exe /resize:130 /top で ハイバネーション用領域を確保。
  4. a:\>fdisk で Cドライブ用領域を確保(4GBほどとりました)
  5. ファーストエイドFDで再起動して、format c:でフォーマットです
  6. ここで再び分解。HDDを元のものに入替
  7. 取り外した新HDDを、USB接続ハードディスクケースへ入れる
  8. 仮に組み立ててWin98を起動させ、USB接続ハードディスクを接続(ドライブとして認識)
  9. 本体のドライブのCドライブを、すべてUSB接続ハードディスクのドライブへコピー
    (ここが今回のポイント。とにかくWin98を残してネットワークを使いたかった)
  10. 再び分解して、新旧HDDを入れ替える
  11. これで新HDDに換装完了(のはず)

1.のようにまず入れ替えるのは、ハイバネーション用の退避領域を確保するためです。事前にfdsikでプライマリ領域を確保すると、どうしてもPEDPARTがエラーになるようなのです。 このため、最初にHDDを入れ替えて、休止状態用の領域を確保することにしました。

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5.分解と組み立て

デスクトップ機で自作の経験があれば、難しいところはありません。筐体が小さいので作業はやりづらいです。(写真は少しピントはずれ)

1 バッテリ、電源、PCMCIAカードなどをはずすここで、バッテリ裏にあるねじもはずす
2 本体を裏返して、ねじをはずすメモリカバー、モデムカバーのねじを除いて全部。結構あります。ヒンジ部分のねじだけ、ちょっと長い。
3 キーボードをはずす小型のマイナスドライバで、少しこじると簡単に外れます。傷つけないよう慎重に。
4 キーボードフィルムケーブルをはずすフィルムケーブルは折れやすいので、慎重にまっすぐ引き抜く。ケーブル両端の留め具を、ドライバなどでゆるめるといい。
5. キーパッドのフィルムケーブルをはずす小さなフィルムケーブルです。折らないようにまっすぐ。力はいりません。
6 トップカバーをはずすようやくトップカバーが外れます。このとき、1のバッテリ裏にあるつめを少し押し込むようにするとはずしやすい。
7 ハードディスクを取り出すハードディスク周りは、金具で固定されています。順番にはずしていけばいい。IDEや電源ケーブルは、ちょっと固いので、慎重に、でも大胆に。信号ピンを曲げると最悪です。
8 入れ替えたら逆順で組み立て 言うまでもありませんが、静電気や仮組み立て時のショートなどには、十分に気をつけましょう。

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6.インストール

ネットワークさえつながっていれば、ファイル共有でデスクトップ機のドライブからインストールは簡単です。今回は、このためにハードディスクにWin98を残し、ネットワークを使えるようにしてすすめました。

問題はネットワークがつながらないとき。

USB接続ハードディスクやCD-ROMドライブで、インストールCD-ROMの内容を、HDDへ転送しておくことができれば、一番簡単ですね。

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7.ベンチマーク

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name Let’s Note default
Processor Celeron 397.89MHz[GenuineIntel family 6 model 6 step A]
Cache L1_D:[16K] L1_I:[16K] L2:[128K]
VideoCard NeoMagic MagicGraph256AV driver
Resolution 1024×768 (24Bit color)
Memory 130,544 KByte
OS 5.1 (Build: 2600)
Date 2003/07/27 21:35

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
換装前(Win98) 6935 15459 16238 5732 7309 8172 11
換装後(WinXP) 11884 18138 18048 6394 7875 8683 5
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite
換装前(Win98) 8798 8333 1019 7 10880 8412 3150 2847
換装後(WinXP) 2160 28166 395 6 20365 18354 9277 9039

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8.おまけ

USB接続のハードディスクケースは、やはり1.1対応のせいか、転送は遅いです。もっとも、CF-A1自体がUSB1.1なので仕方ありませんが。

Windows98は、そのまま新ドライブへコピーという禁じ手を使いました。簡単ではありますが、やはり無理があるようです。もともとあまり調子はよくなかったので、ここはクリーンインストールをしたいところでしたが・・。
なかでもSymantecのAntiVirusなどは、動作しなくなりました。起動時にいくつかエラーを出しているようです。これも再インストールですね。

WindowsXPは、それなりに快適です。ドライバのインストールなど、まだまだ作業は残っています。アプリケーションもそれなりに大変です。 でもこれがメインマシンになるのですから、当然かな。裏情報によると、CF-A1のメモリは、物理的に両面実装タイプが収まらないのですが、テープで裏ふ たをとめて、64+128MBで使っているつわものもいるらしいです。でも、Officeとメール主体の利用なら、64+64でまったくストレスはありま せん。

流体軸受けのHDDは本当に静かです。動作音がほとんどしなくなりました。ベンチマークテストでも、読み取りと書き込み速度が2~3倍になっています。OSの違いもあるけれど、これはすごい。

このようなハードディスクの換装は、言うまでもなく、自己責任になります。メーカ保障も、場合によっては、他の修理も受け付けてくれなくなります。覚悟を持ってやりましょう。

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Report by sryo

<td width="20">1</td>
    <td width="75%"><font size="2">バッテリ、電源、PCMCIAカードなどをはずす</font>
      <p><font size="2">ここで、バッテリ裏にあるねじもはずす</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="0.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">2</td>
    <td width="75%"><font size="2">本体を裏返して、ねじをはずす</font>
      <p><font size="2">メモリカバー、モデムカバーのねじを除いて全部。結構あります。ヒンジ部分のねじだけ、ちょっと長い。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="1.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">3</td>
    <td width="75%"><font size="2">キーボードをはずす</font>
      <p><font size="2">小型のマイナスドライバで、少しこじると簡単に外れます。傷つけないよう慎重に。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="2.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">4</td>
    <td width="75%"><font size="2">キーボードフィルムケーブルをはずす</font>
      <p><font size="2">フィルムケーブルは折れやすいので、慎重にまっすぐ引き抜く。ケーブル両端の留め具を、ドライバなどでゆるめるといい。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="3.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">5.</td>
    <td width="75%"><font size="2">キーパッドのフィルムケーブルをはずす</font>
      <p><font size="2">小さなフィルムケーブルです。折らないようにまっすぐ。力はいりません。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="5.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">6</td>
    <td width="75%"><font size="2">トップカバーをはずす</font>
      <p><font size="2">ようやくトップカバーが外れます。このとき、1のバッテリ裏にあるつめを少し押し込むようにするとはずしやすい。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="4.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">7</td>
    <td width="75%"><font size="2">ハードディスクを取り出す</font>
      <p><font size="2">ハードディスク周りは、金具で固定されています。順番にはずしていけばいい。IDEや電源ケーブルは、ちょっと固いので、慎重に、でも大胆に。信号ピンを曲げると最悪です。</font></p></td>
    <td width="50%"><img src="6.jpg" width="300" border="0" height="225"></td>
  </tr>
  <tr>
    <td width="20">8</td>
    <td width="75%"><font size="2">入れ替えたら逆順で組み立て</font></td>
    <td width="50%"><font size="2">言うまでもありませんが、静電気や仮組み立て時のショートなどには、十分に気をつけましょう。</font>