絵文字の展示

太田幸夫の絵文字デザイン展を見てきました。太田幸夫

  • 刈谷市美術館
  • 2012.7-21-9.2
  • 入場無料

1階部分だけの小さな企画展ですが、絵文字がデザインされていく過程やメモが示されていて、興味深い展示会です。非常口のサインはどこでも見かけますが、この絵文字デザインが刈谷市出身の太田氏によるものとは知りませんでした。

非常口の緑色のサインは、漢字で「非常口」というものから、「EXIT」と英語表記のものなどさまざまでした。Googleなどで画像検索すると、本当に様々ある。そういえば、学生時代に劇場でTV中継のアルバイトをした時、カメラマンから非常口のサインが邪魔だから、ダンボールで隠せと言われたことがあった。あのときのサインは、50cm以上も幅がある「非常口」だったような気がする。

最近のサインは、太田氏の絵文字サインで統一(国際規格になっているそう)されていて、劇場などでは20cmくらいと小さい。文字による表記では読めないことも多いけれど、絵文字は世界共通。その共通する絵文字をデザインするプロセスは参考なります。

避難場所を示すサインなどは、各地でバラバラなのだそう。今までは緑十字などを使っていたけれど、これは救護所と混同されたり、十字軍を連想させるので使えない国があったりするのだとか。JISで規格化されたので、国内は次第に統一されている。ほかにも津波や地震注意のサインもあった。重要なサインも多いのがよくわかる。

ビルの中での避難経路を誘導する蓄光サインの説明では、景観との兼ね合いから、国際規格で採用されている10cm幅ではなく、より狭い幅で十分な視認性があることも研究されている。安全は大事だけど、それが身の回りの環境を悪化させては、かえって共感を得られない。

地味だけどお勧めの展示会です。

こちらのホールは、駅前の市民会館玄関ホール。たしかに非常口のサインは小さい。

 

それにしても刈谷市の公共施設はみんな立派です。駅に近いし(近いところしか行ってないけれど)。おまけに、公共施設巡回バスでは無料で連れて行ってくれる。もっとも便数は少ないうえに、えらく遠まわりするけれど、ほとんど誰も乗っていないので、快適。いつまで続けられるか分からないけれど。