クラシックファンならずとも誰もが知るベートーベンの第5交響曲。日本では、「運命」と呼ばれるが、これは弟子のアントン・シントラーの「冒頭の4つの音は何を示すのか」という質問に「このように運命は扉をたたく」とベートーヴェンが答えたからとか。これにも諸説あって、海外では運命とは呼ばれれはいないそうな。
この曲の吹奏楽版を演奏することになりました。まあ、なんと。
当然ながら弦楽5部の多くは、木管族で担当することになる。編曲はいくつかあるのだろうけど、今回指揮者から送られてきたクラリネットパートの楽譜は、1st、2ndがヴァイォリンパートを、3rdがヴィオラパートを主にになっているよう。中音域特有の内声和音が続く…。
ところがこのパート譜、なぜか大変に読みづらい。おそらく編曲者がPCソフトでパート譜を作成したのだろうけど、とにかくやたら音符が小さい。コピーが薄いこともあるけれど、1ページに15段もあるうえに、5線譜の高さが小さくて、下線が多くなると読み取れれない。譜面自体は八分や四分音符主体で難しくはないのだけど。
それで、またまたスキャナで読み込んで、パート譜を作りなおしてみた。あり得ない小節での譜めくりを避けるために、段数や小節数を調整し、ちゃんと譜めくりできるようにもした。もちろん、5線譜の高さは6mm程度に大きくして見やすく。今回は、元の印刷楽譜の状態が良かったのか、スキャンデータの認識には、装飾音を除いてあまり間違いがなかった。それで4楽章分22ページもの楽譜の認識整形でも、わずか2日ほど。まだ細かい間違いがあるだろうけど、一応完成。
こうしてみると、市販の楽譜の見やすさには、感心します。
そういえば、大学1年次の教養科目で「音楽」をとったら、そこで指定された教科書が「運命」のフルスコア。で、毎週の授業は、スコアを見ながら毎回指揮者の異なる運命のレコードを聴くというもの。人文大講義室という400人近く入る一番大きな教室での授業は、先生の解説もあってたのしかった。この授業がきっかけになって、先生が指揮をしておられた合唱団に入ったのだっけ。