金属製のクラリネットを手に入れました。
前オーナーによると、
白く塗装がされている年代物です。白色塗装からマーチングバンド等で使用されていたのではないかと思います。塗装剥離・タンポ全交換・各ネジ部分の注油(ネジの固着ありと推測されます)が必要です
とのことでしたが、どうやら乱暴に吹き付け塗装されていたようで、トーンホールの中やネジ、ばね、タンポまで、ペンキで真っ白でした。楽器としてではなく、ディスプレイかマーチングなどの小物として使われていたのでしょう。
楽器はHolton製。ネット情報によれば、20世紀初頭にアメリカで生産されたスクールモデルのよう。管が二重構造になった高級品ではなく、安価なモデルらしい。バレルは取り外しできるものの、ベルも含めて一体化されています。メタル製は、生産も難しく、その後あまりにも粗製乱造が多くなって、人気が急速に低下して作られなくなったとのこと。「悪貨は良貨を駆逐する」ということでしょうか。
それにしても楽器がかわいそうなので、とりあえず分解清掃してみることに。浸透潤滑油をさしても予想通りネジの固着がひどく、ネジ頭がつぶれて切れたりして、どうしてもはずれないネジも2か所ありました。仕方なく、知り合いの鉄工所さんにお願いして、キーパイプごと切断していただきました。プロの腕前は素晴らしく、管体やキーポストなどは、ダメージもなく原型を保っていました。
ここから
- 塗装剥離剤をぬってペンキはがし
- 管体とキーの清掃・磨き(やすり掛け、バフ磨き)
- ばね圧の調整、タンポ取り付け、コルク貼替 etc…
管体細部のペンキは落とし切れていませんが、メッキもはがれて地金(真鍮)が出てしまいました。キーは無事ですが、ネジは欠損が多くほぼ全滅だったので中国製に入れ替え。もっともネジ長さが合わず、下菅のE♭/G#キーのネジにいたっては10mmあまりも飛び出しています。そのほかにも2~5mm程度飛び出しているねじもいくつか。
切断したキーパイプ(右側トリルキー3つ)には、ミニ4駆模型の3mm長スペーサーとワッシャーがぴったりはまりました。ネジ径とスペーサー内径は2mmですが、溶接などしていないため遊びが大きく、やはりがたつきが出てしまうので、とりあえず輪ゴムで!(笑)。
そんなこんなで、2か月余りをかけて、いざ、吹いてみると、意外と鳴るのです。マウスピースを選ぶようですが、M30あたりの内径の細いものでは、音量が大きく、ピッチ(442Hz)も安定しているようです。合奏で使えるかどうかはともかく、確かにマーチングなど野外向きかもしれません。
メタルでも変わらない音が出るということは、楽器の素材は響きには関係ないのでしょうか?楽器自体の共鳴などもあるようですが、グラナディラ至上のクラリネット吹きにとっては、水道管とも呼ばれるコントラバスクラリネットや金属製フルートは邪道になりかねません。冬場はとっても冷たいけど、でもいい音がするんですよね。キーの作りや調整にかかわる操作性や、奏者の心理的な面が大きいのかもしれません。
ところで、このメタルクラリネット、どうしましょ。当面、野外で吹く予定もない。パーツどり用のもう一本の管体もどうしましょ。










