exCampusとは何か。
これは、文部科学省 大学共同利用機関 メディア教育開発センターが開発し、無償で公開しているeラーニングシステムです。exCampusは学習者管理、コンテンツ登録、電子掲示板運用などの基本機能を有しています。
 反面、市販のLMSでは必須の、コースウェアのオーサリングツールや、テストアンケート機能、受講生の進捗管理などは一切ありません。講義風景のビデオストリーミングや教材コンテンツとの連動などという、華やかさもありません。講義風景ビデオは専用のストリーミングサーバへリンクするのみで、手間のかかるpowerpointなどとの同期よりも、シンプルでわかりやすい構成です。


 このシンプルさは、大学院生などモチベーションの高い受講者には、きわめて有効かもしれません。余計なお仕着せの画面同期は、かえって煩雑です。当然、意識の低い受講生の場合には、学習意欲の持続も難しく、学習の継続や学習効果への貢献は困難になりそうです。
 シンプルなゆえに、メールシステムを連動させた掲示板機能はわかりやすく、レポート提出システムもきちんとしています。いわゆるTAによる授業補助も想定されており、教員の負荷は小さいかもしれません。システムとしては、教員はアドミニストレータ権限を有するため、他の教員との干渉が気になるかもしれません。これらのことから、学部単位や大学全体の大人数ではなく、学科あるいはゼミ単位程度の小規模な運営が望ましいように感じます。
exCampusの詳細は、excampus.orgを参照してください。このサイトでは、スクリプトのダウンロードやインストール方法などのほか、東京大学における活用事例など、詳細なレポートがあります。特に、システムを導入するには、ハードソフトとだけではなく、そのシステムを支える組織が必要となると。その組織を作るための準備などは、大変に参考になります。
簡単に項目だけをまとめると、
 1.コンテンツ設計
 2.教務委員会・教授会
  (1) プロジェクトのメリットを明示的に提示すること
  (2) 先生方のe-learningに対する不信感・抵抗感を払拭すること  
 3.スタッフチーム
  (1)システムスタッフ
  (2)メインスタッフ
  (3)授業撮影スタッフ
  (4)eラーニングコーディネータなど
これらを、各大学の実情に合わせて、準備し組織を作ることが必要と述べられています。

By sryo

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