同じ団のメンバーから、クラリネットのリペアを依頼されました。
格安でネットで買ったサブ候補機らしいのですが、キーがいくつか取り外されていて、タンポやコルクも全部なしという状態。どうやらリペア途中に諦めたよう。機種はクランポンのE11です。でも馴染みの楽器店でもリペアを断られたのだそうで、どうしようも無いということ。
改めて見てみると、キーは全部揃っているものの、ネジ(ローラー4本、ピボット4本)がいくつか足りない。幸い、木部やキーポスト、バネには欠損がないので、何とかなるだろうと引き受けることにしました。
早速、タンポは革(ホワイトレザー)を、ネジのセットと共に取り寄せて、交換作業に着手しました。ちょっと前まではeBayなどアメリカの通販サイトだったのだけど、円安のためかaliexpress の方が安い。というより、アメリカの楽器パーツサイトがどうしても見つからないので、しかたなく中国から取り寄せた。ここでも中国は世界の工場を実感です。
コルクやシェラックは手持ちのものを使いました。全てのキーを外して磨き、木部を掃除しつつ、タンポを入れ、ジョイントコルクやキーバランスのコルクを貼って、厚みを調整という地道な作業を繰り返しました。
ここで問題発生。取り寄せたネジ2セットが、どちらも入らない。ローラーシャフトの径自体は1.9mmでいいのだけど、ネジが入らない。どうやらクランポンのネジはM1.7らしい。しかたなく、M1.7のねじ切りダイスをAmazonで取り寄せて、ドライバドリルでローラーネジをくわえてダイスでねじ切りし、4本の欠損ネジを作ることになりました。
左側がダイスでねじ切りしたローラーネジ、右側が元のネジ。
長さ7mmほどのピポッドネジ?は、取り寄せたネジセットのものでは頭が出るものの、キーは固定できたので、よしとします。
ちなみにAmazonで取り寄せたネジセットも、クランポンには合いませんでした。残念。
あとは、コルクの厚みやタンポの微調整をして、フルリペア完了です。さて、使ってもらえるかな。