出張ついでに、金沢市の庭園 兼六園に行ってきました。兼六園自体は、15年ほど前に2度ほど訪れているのですが、今回は時間もあったので、園内にある成巽閣へ。
藩主 前田家の12代当主の奥方のために、13代当主が立てたという建物は、江戸時代末期とはいえ、武家社会の栄華を極めたようなたてもの。謁見の間の豪華さは、まさしく目を見張るよう。各部屋ごとに趣向を凝らされた障子の腰板に描かれた絵、鴬張りの20mにわたって柱のない縁側、静寂に包まれる庭園と水のせせらぎの聞こえる二つの庭園。2階部分の紺青の天井模様。すばらしいとしか言いようのない建物です。
明治以降、歴代の皇族方の休息や宿泊にも利用されたということですから、その豪華さがわかります。大正時代に電気が引かれ、米国製のシャンデリアなども取り付けられたそうですが、そんなものがなくても、十分開放的で明るく機能的です。
公開されているのは、全体の半分ほどのようですが、ぜひ訪れておきたい文化財です。
平成になって再建された金沢城祉よりも、まちがいなく、すばらしい。有料なので、観覧者が少ないのも、じっくり見たいものには落ち着ける理由。それにしても、謁見の間に2階へ続く階段があるのは、不思議な構造です。